檀家さんから、仏壇の引き出しの中にありましたと、一冊の本を見せていただきました。それが、宇喜多小十郎 編輯 『頭書 日蓮聖人御一代記圖繪 中』という本です。
中なので奥書もないのです。いつの時代の本なのかを調べるためにWeb検索をかけました。
すると、国立国会図書館のデジタル化資料として公開されていました。「日蓮聖人御一代記図絵 : 頭書; 著者: 宇喜多小十郎 編; 出版者: 村上勘兵衛; 出版年月日: 明13.7; 公開範囲: インターネット公開(保護期間満了)」とあり、明治13年7月発行ということがわかりました。
国立国会図書館のデジタル化資料より、奥書を保存して手に入れました。
また、實相寺が記載されているところも手に入れました。
- [翻刻]
妙覚寺末 同
實相寺 妙蓮寺より三丁
一、祈雨の本尊うなづきの
祖師ハ開山大覚大僧正
の作○開山の真筆三
菩薩の石塔あり○松永貞
徳翁芦の丸屋の旧跡本
堂の巽にあり墓ハあしの
丸屋のうしろにあり翁の
像も實相寺にあり
また、實相寺の古文書、和綴じ本を整理していると、次のような『発兌(はつだ)書目』(=「図書発行目録」)が出てきました。それをめくってみると次のような記載あり。
- 日蓮聖人御一代記圖繪 宇喜多小十郎編輯 壱冊緘 仝 四十銭
- 三冊緘 仝 五十銭
一冊本と三冊本の二種類が発行されていることがわかりました。
宗祖大士御誕生より御入滅迠御一代の実傳にして要を掲げ、冗(むだ)を省き
該(その)御事跡いささか泄(もら)すことなく、挿画に至りてハ◯◯の密をもってこれを
資補す、◯ニ其状態現に眼前に見るが如く、只◯◯◯◯◯◯にハ宗門
◯要の数件且各本山の統記諸師の日表ニ至迠詳悉記載なしたれバ僧修
婦幼共ニ購求して塾説し玉んにハ広宣流布宜しからざる明治十三年の新板也
◯=解読できない文字
解読できた文字がありましたご連絡ください。
Written by Gyougen